サイト内検索に在庫切れ商品が出続ける主な原因は、①在庫情報が検索のデータに入っていない、②商品単位でしか在庫を見ていない、③在庫の反映に時間差がある、④検索用キーワードや特集タグが残っている、の4つです。対策は、売り切れ商品を一律に外すことではありません。販売終了なら外す、再入荷予定があるなら下げる、一部の色・サイズだけの欠品なら残す、というように、商品の状況に合わせて見せ方を使い分けることが基本です。
「パーカー」と検索したら、1ページ目に売り切れの表示がずらりと並ぶ。気になる商品を開いてみると、欲しい色やサイズはすべて在庫切れ。お客様にとっては、探す手間をかけたのに買えない、残念な体験です。本記事では、ECサイトの担当者の方に向けて、在庫切れ商品がサイト内検索に出続ける原因と、売り切れ商品の見せ方、自社サイトで確かめる方法を紹介します。
状況別:在庫切れ商品の見せ方の早見表
| 商品の状況 | おすすめの見せ方 | 理由 |
|---|---|---|
| 販売終了・再入荷の予定なし | 外す | 買えない商品で1ページ目が埋まるのを防ぐ |
| 一時的な欠品・再入荷の予定あり | 下げる+入荷のお知らせ | 欲しいお客様の受け皿を残す |
| 一部の色・サイズだけ欠品 | 残す(検索された色・サイズが切れていれば下げる) | ほかの色・サイズは買える |
| 予約商品 | 残して「予約」と表示 | 買えない商品ではない |
1. サイト内検索に在庫切れ商品が出ると、何が困る?
買えない商品が検索結果の上位を占めると、お客様は探している商品にたどり着く前に離脱しやすくなります。サイト内検索を使うのは、欲しいものがある程度決まっているお客様です。その結果に買えない商品が並ぶことは、購入の一歩手前で機会を逃すことにつながります。
具体的には、次のような困りごとが起きます。
- 1ページ目が買えない商品で埋まる:スマートフォンでは、1画面に表示できる商品は数点です。そのうちいくつかが売り切れだと、買える商品はスクロールの先に隠れてしまいます。
- 商品ページを開いてから売り切れと分かる:一覧で在庫の状況が分からず、商品ページを開いて初めて欠品に気づくと、がっかりする気持ちが大きくなります。
- 品ぞろえが悪いと思われる:在庫のある似た商品があっても、お客様の目には「このお店には欲しいものがない」と映ります。

一方で、在庫切れ商品をすべて検索結果から消せばよい、という単純な話でもありません。どのように見せるのがよいかは、3章で詳しく説明します。
2. なぜ在庫切れ商品がサイト内検索に出続けるのか?4つの原因
在庫切れ商品がサイト内検索に出続ける原因は、次の4つです。
- 在庫情報が検索のデータに入っていない
- 商品単位でしか在庫を見ていない
- 在庫の反映に時間差がある
- 検索用キーワードや特集タグが残っている

原因①在庫情報が検索のデータに入っていない
サイト内検索は、商品名や説明文、カテゴリなどをまとめた「商品データ」をもとに結果を返します。この商品データに在庫の有無が入っていなければ、検索エンジンは在庫切れを判断できません。商品ページの在庫表示はカートのシステムが出していても、その情報が検索の側には伝わっていない、というケースです。
確認方法:在庫切れになっている商品を1つ選び、その商品名で検索して、「在庫あり」で絞り込んでみてください。絞り込んでも出てくる場合は、在庫情報が検索に連携されていない可能性があります。「在庫あり」の絞り込みがない場合は、検索ツールの管理画面や開発の担当者に、在庫の情報を受け取っているかを確認します。
対策:在庫の有無を、検索用の商品データに入れます。カートや在庫管理のシステムから定期的に連携し、お客様向けに「在庫あり」の絞り込みも用意します。
原因②商品単位でしか在庫を見ていない
アパレルや靴のように色・サイズの展開がある商品では、1つの商品の中に複数の「SKU」(色・サイズごとの、在庫を管理する単位)があります。在庫を商品単位で判定していると、「黒のMサイズだけ在庫あり」でも商品全体は在庫ありになり、すべての色・サイズが売り切れるまで在庫切れと判定されません。この判定単位のずれは、4章で詳しく扱います。
確認方法:「パーカー 黒」のように色名を含めて検索し、上位の商品を開いて、その色に在庫があるかを確かめます。
対策:在庫を色・サイズ単位で持たせ、色やサイズを含む検索では、その色・サイズの在庫で判定します(詳しくは4章)。
原因③在庫の反映に時間差がある
在庫は注文のたびに変わりますが、検索の商品データは、一定の間隔でまとめて更新する仕組みが一般的です。そのため、売り切れた直後は、検索の結果ではまだ在庫ありのまま、という時間差が生まれます。セールや新商品の発売直後など、在庫が一気に動く場面で目立ちやすくなります。
確認方法:在庫を更新した時刻と、検索結果に反映された時刻を記録し、どれくらいの差があるかを把握しておきます。
対策:在庫データの更新の間隔を短くします。いつも短くするのが難しい場合は、セールや新商品の発売の前後だけ間隔を短くします。あわせて、残りわずかな定番商品の順位を少し下げておくと、時間差の影響を減らせます(詳しくは5章)。
原因④検索用キーワードや特集タグが残っている
商品を見つけやすくするために登録した検索用キーワードや、特集ページ用のタグが、販売を終えた後も残っていることがあります。在庫切れの商品を「下げる」「残す」設定にしている場合や、在庫情報が連携されていない場合(原因①)は、こうした商品が、残ったキーワードでヒットし続けます。たとえば、キャラクター柄の商品にキャラクター名を検索用キーワードとして登録していると、販売を終えた後も、その名前で検索すると買えない商品だけが並ぶことがあります。
確認方法:販売を終えた商品や、終了した特集の名前で検索し、買えない商品だけが並んでいないかを確認します。
対策:販売を終えた商品は、検索用キーワードや特集タグを消すか、商品ごと検索の対象から外します。特集を終えるときにタグを外す手順を運用のルールに入れておくと、消し忘れを防げます。
原因別:確認方法と対策の一覧
| 原因 | 確認方法 | 対策 |
|---|---|---|
| ①在庫情報が検索のデータに入っていない | 売り切れ商品の名前で検索し、 「在庫あり」で絞り込む | 在庫の有無を商品データに入れ、 定期的に連携する |
| ②商品単位でしか在庫を見ていない | 「パーカー 黒」のように色名を 含めて検索する | 色・サイズ単位で在庫を持たせて 判定する |
| ③在庫の反映に時間差がある | 在庫の更新から検索への反映までの時間を測る | 更新の間隔を短くする。残りわずかな定番商品を少し下げる |
| ④検索用キーワードや特集タグが 残っている | 販売を終えた商品や特集の名前で 検索する | キーワードやタグを消す。商品ごと検索の対象から外す |
3. 在庫切れは「外す・下げる・残す」のどれが正解?
どれか1つが正解というわけではなく、商品の状況で使い分けるのが基本です。外せば買えない商品は見えなくなりますが、外しすぎると0件ヒットが増え、再入荷を待つお客様の受け皿もなくなってしまいます。
| 見せ方 | よい点 | 注意点 | 向いている商品 |
|---|---|---|---|
| 外す (検索結果に出さない) | 買えない商品が見えなく なる | 外しすぎると0件ヒットが増える。再入荷を待つお客様が商品にたどり着けない | 販売終了、再入荷の予定がない商品 |
| 下げる (並び順で後ろに回す) | 買える商品を優先しつつ、欲しいお客様は見つけら れる | 在庫切れ商品が多いと、後ろのページが売り切れだらけになる | 再入荷の予定がある商品、定番商品 |
| 残す (そのまま表示し、在庫の状況を示す) | 商品があることを伝えられる。入荷のお知らせや予約につなげられる | 一覧で在庫切れと分からないと、お客様をがっかりさせる | 予約商品、一部の色・サイズだけの欠品 |

「外す」を選ぶときは、0件ヒットとの関係に注意してください。在庫切れ商品を外した結果、検索結果が0件になる言葉が増えることがあります。0件の画面で代わりの商品を案内する方法は、「ECサイト内検索の0件ヒット対策|4つの原因と改善の手順を解説」で紹介しています。
「下げる」「残す」を選ぶ場合は、一覧の段階で「在庫なし」「再入荷予定」などを表示し、商品ページを開く前に状況が分かるようにします。「入荷のお知らせを受け取る」ボタンを用意しておけば、在庫切れが次の購入のきっかけになります。また、お客様が自分で選べるように、絞り込みに「在庫ありのみ」を用意しておくのも有効です。
4. 「黒」で検索したら黒だけ在庫切れ。色・サイズの在庫はどう扱う?
色やサイズの言葉を含む検索では、商品全体ではなく、その色・サイズのSKUに在庫があるかどうかで判定するのが理想です。
たとえば「パーカー 黒」で検索したとします。在庫を商品単位で判定していると、白とグレーに在庫があれば、黒が売り切れていても「在庫あり」として上位に表示されます。お客様は黒を探しているので、商品ページで黒が選べないと分かった時点で離脱してしまいます。「ワンピース LL」「大きいサイズ」のように、サイズを含む検索でも同じことが起きます。

商談の場でも、アパレルのECサイトの担当者の方から「色やサイズの言葉で検索したとき、その色・サイズが売り切れの商品は出したくない」「絞り込みでは在庫が反映されているのに、キーワード検索の結果とずれてしまう」といったご相談をいただくことがあります。
色・サイズ単位で在庫を扱うには、次の手順で考えます。
- 商品データに色・サイズごとの在庫を持たせる:SKUを1件ずつ登録するか、商品ごとに色・サイズ別の在庫を持たせます。
- 検索された言葉に色・サイズが含まれるかを判定する:「黒」「ブラック」「BLK」のような書き方の違いも、同じ色として扱えるように辞書を用意します。
- 含まれる場合は、その色・サイズの在庫で表示と並び順を決める:該当の色・サイズが売り切れの商品は、順位を下げます(その色・サイズの販売を終えている場合は外します)。
- 絞り込みとキーワード検索の判定をそろえる:絞り込みの「在庫あり」と、キーワード検索の結果で、在庫の判定がずれないようにします。
なお、SKUを1件ずつ登録すると、同じ商品が色違いで何件も並ぶことがあります。一覧では1つの商品としてまとめて表示するなど、見せ方の工夫もあわせて検討してください。
5. 在庫が少ない商品は、上位に出すべき?
一律には決めず、商品の性質で分けます。すぐに売り切れそうな定番商品は少し下げ、一点物や限定品は下げない、という考え方です。
- 下げたほうがよい場合:残り1〜2点で、すぐに売り切れそうな定番商品。在庫の反映に時間差があると(原因③)、売り切れた直後も上位に残り、買えない商品がお客様の目に入ってしまうためです。
- 下げなくてよい場合:一点物や限定品のように、在庫が少ないこと自体が商品の性質であるもの。
検索結果の並び順は、在庫のほかにも、関連度・人気・新着・季節など、多くの要素で決まります。人気やレビューを並び順に生かす考え方は、「ECサイトの売上を上げるサイト内検索エンジンを構築するには 〜Part1:検索結果内容の配列最適化〜」でも紹介しています。
6. 自社のサイト内検索で確かめる5つのチェック
在庫切れの問題は、実際に検索してみると見つけやすい問題です。まずは月に1回、次の5つを確かめるところから始めてみてください。
- 売り切れ商品の名前で検索する:一覧で在庫切れと分かるか、「在庫あり」で絞り込んだときに消えるかを確認します。
- 「色名+カテゴリ」で検索する:「パーカー 黒」などで検索し、上位10件を開いて、その色に在庫があるかを確認します。
- よく検索される上位20語の1ページ目を見る:在庫切れ商品が何件含まれるかを数え、毎月の変化を比べます。よく検索される言葉は、Googleアナリティクスや検索ツールの管理画面で確認できます。
- 「在庫あり」で絞り込む前と後の件数を比べる:差が大きい言葉は、在庫切れ商品が多く表示されている言葉です。
- 在庫の更新から、検索に反映されるまでの時間を測る:月1回の確認に加えて、セールの前にも測っておくと、売り切れ直後の対応を決めやすくなります。

見つかった問題は、2章の「原因別:確認方法と対策の一覧」で、どの原因に当たるかを確かめると、直す担当や方法を決めやすくなります。
サイト内検索の在庫切れでよくある質問
増えることがあります。取り扱い商品の少ないカテゴリや、人気商品が一斉に売り切れたときに起きやすくなります。外す場合は、0件の画面で代わりの商品やカテゴリを案内しておくと、離脱を防ぎやすくなります。
必ずしもリアルタイムである必要はありません。サイト内検索の多くは、一定の間隔でデータを更新します。大切なのは、反映までの時間を把握し、在庫が残りわずかな定番商品を少し下げるなど、時間差があっても困らない設定にしておくことです。
絞り込みは有効ですが、それだけでは十分とはいえません。絞り込みを使わずに一覧を見るお客様もいるため、何も指定しない最初の検索結果で、在庫切れ商品が上位を占めていないかを確認することが大切です。
検索結果からは外さず、順位を下げたうえで「再入荷予定」と表示するのがおすすめです。入荷のお知らせを受け取れる仕組みがあれば、欲しいお客様を逃さずに済みます。
まずは、よく検索される上位20語の1ページ目に、在庫切れ商品が何件あるかを数えてみてください。件数が多い言葉から、4つの原因のどれに当たるかを確認すると、優先順位を付けやすくなります。
まとめ
在庫切れ商品がサイト内検索に出続ける原因は、在庫情報が検索のデータに入っていない、商品単位でしか在庫を見ていない、在庫の反映に時間差がある、検索用キーワードや特集タグが残っている、の4つです。原因ごとの対策は、2章の一覧表にまとめています。見せ方は「外す・下げる・残す」を、販売終了・再入荷予定・一部の欠品といった商品の状況で使い分けます。まずは、よく検索される言葉の1ページ目に、在庫切れ商品が何件あるかを数えるところから始めてみてください。
S4のご紹介
Supershipが提供する「S4」は、ECサイト向けのサイト内検索エンジンです。サイト内でのお客様の検索体験・購買体験を向上させるための様々な機能をご提供しています。商品データに在庫の有無や販売状況を連携いただくことで、在庫のある商品に絞った検索結果をお返ししたり、販売を終えた商品を検索結果から外したりできます。表示のルールは、サイトごとの方針に合わせたカスタマイズもご相談いただけます。
「売り切れ商品が検索結果の上位に出てしまう」「売り切れ商品の見せ方を見直したい」といったご相談も承っています。お気軽にお問い合わせください。